【介護施設の採用成功事例から学ぶ 第1回】求人票改善のポイント

求人を出しても応募が少ない ― 採用担当者が直面する課題とは

介護・看護・保育といった人材不足が深刻な業界において、「求人を出しているのに応募が来ない」という悩みは、ほぼすべての採用担当者が抱える共通の課題です。実際、多くの施設や事業所では、求人媒体に掲載しても数週間応募ゼロ、あるいは応募があっても採用につながらない状況が続いています。
なぜ求人を出しても応募が集まらないのでしょうか。その背景には、採用市場全体の変化と、求人票の情報不足・ミスマッチが大きく関わっています。ここでは、現状の課題を整理し、採用担当者が押さえておくべきポイントを解説します。


人材不足が続く採用市場の現状
まず理解しておきたいのは、業界全体が「売り手市場」であるということです。厚生労働省の統計によれば、介護職の有効求人倍率は全国平均で3倍前後と、全職種の中でも特に高い水準にあります。これは求職者1人に対して求人が3件以上存在していることを意味し、求職者は複数の求人から比較・検討して選べる立場にあるのです。
さらに、地域差も大きな要因です。都市部よりも地方の方が人材不足は深刻であり、山口県のような地方都市では特に採用の難易度が高まります。応募が集まりにくいのは、単なる「自社の問題」ではなく「市場全体の構造的な問題」でもあるという点を、まずは押さえておく必要があります。


求職者が「応募をためらう」理由
次に考えるべきは、なぜ求職者が求人を見ても応募に至らないのか、という点です。よくある理由は以下の通りです。
求人票の情報が不十分
給与が「当社規定による」とだけ記載されている、勤務時間が「シフト制」としか書かれていない ― これでは求職者は安心して応募できません。
他社との差別化ができていない
求人サイトには同じような文言の求人が並んでいます。「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」といった抽象的な表現だけでは、他社と比較して選ばれる理由になりません。


求職者のニーズとズレている
最近の求職者は「給与額」だけでなく「休日の取りやすさ」「研修制度」「人間関係の良さ」を重視しています。施設側がアピールしたいポイントと、求職者が知りたいポイントにズレがあると、応募は集まりません。
応募が少ないことで起きる悪循環
応募が集まらないと、現場の人員不足が長引きます。その結果、既存職員に負担が集中し、離職につながるリスクが高まります。離職が増えればさらに人員不足が進み、採用が急務になるものの、求人の条件を十分に見直せないまま出し続ける ― という悪循環に陥ってしまうのです。
この流れを断ち切るには、「求人票を出すこと」自体がゴールではなく、「応募につながる求人情報を発信すること」が重要になります。


採用担当者が今すぐ見直すべきポイント
応募を増やすために、採用担当者が取り組むべき改善点を整理すると以下のようになります。
給与・手当を具体的に明記する
「月給20万〜25万円」「処遇改善加算あり」「夜勤手当5,000円/回」など、数字で示すことが信頼につながります。
勤務時間・休日を詳細に記載する
「早番7:00〜16:00」「夜勤16:00〜翌9:00(休憩2時間)」といったシフト例を載せるだけでも、求職者に安心感を与えます。
写真や職員インタビューを掲載する
職場の雰囲気が伝われば、応募への心理的ハードルが下がります。
求職者が重視する福利厚生を前面に出す
「資格取得支援」「有給取得率80%以上」「子育てと両立できる勤務体制」など、生活に直結する情報は強いアピールになります。


まとめ
求人を出しても応募が集まらない背景には、業界全体の人材不足という大きな構造的問題があります。しかしその中でも、求人票の内容や情報提供の仕方を改善することで応募数を増やすことは可能です。
採用担当者に求められるのは、求職者の視点に立ち「応募したくなる求人情報」をつくることです。給与や勤務条件を具体的に示し、他社との差別化を意識した情報発信を行うことが、応募を増やし採用成功へとつながります。

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